中途半端な駅伝を走っているからマラソンがダメになる
午前中、世界陸上の男子マラソンを見た(30㎞過ぎから)。
ギルメイ・ゲブレスラシエ(19=エリトリア)が2時間12分27秒で金メダルを獲得した。
ゲブレスラシエと言えば、皇帝と呼ばれた最強の長距離ランナー、ハイレ・ゲブレスラシエ(エチオピア)が思い出されるが、親せきというわけではないようだ。エリトリアはエチオピアから独立した国だから、あちらにはそういう名前が多いのかもしれない。
日本勢は、藤原正和(34=ホンダ)が2時間21分5秒で21位、前田和浩(34=九電工)が2時間32分48秒で41位と、惨敗だった。
1980年代後半には、宗茂・宗猛兄弟、瀬古利彦、中山竹通とか、世界と戦えるランナーがいくらでもいたんだが、その後はどうもパッとしない。今日だって、10位以内に入れば上出来だろうと、まったく期待せずに見ていた。
アフリカ勢の台頭が主な理由であるが、そもそも日本の競技力そのものが向上していないのではないか。
日本の長距離界には、世界ではほとんど行われていない駅伝という独特の競技がある。そしてこの競技は異常に人気がある。
年末には京都で高校駅伝があり、元日は朝から実業団のニィーイヤー駅伝があり、その翌日には大学生の箱根駅伝がある。
そのほかにもたくさんの大会があるから、強豪校や強豪チームに入ると、どうしても駅伝中心の競技生活になる。
まあ、それはそれで構わないのだが、強いマラソンランナーを育てるという意味では、この駅伝中心の強化路線がネックになっている可能性がある。
オリンピックや世界選手権の長距離種目には、5000mと10000mというトラック競技があって、あとは42.195㎞のマラソンがあるだけである。その中間の距離はない。
しかし、駅伝だと、区間によって8㎞とか13㎞とか、長くても22~23㎞とか、走る距離が中途半端なのである。その中途半端な距離をうまく走る練習ばかりしていて、はたしてトラックの10000mや、それより思いっきり長い42.195㎞を速く走れるようになるだろうか。
と、素人ながら思うのである。
よく箱根駅伝で活躍した選手が、「将来はマラソンで世界を目指したい」など言う。心意気はよろしい。
しかし、駅伝とマラソンは別の種目だからね。駅伝が速くなったって、マラソンは速くならない。
今は解説者としておなじみの瀬古利彦さんは、たまたまオリンピックでは結果を残せなかったが、大学生のときからマラソンを走り、15回走ったレースのうち10回優勝。それも大きなレースばかりという、とんでもないランナーだったのだが、全盛期には5000mと10000mの日本記録も持っていたと記憶している。
中学生・高校生の有望ランナーには、トラック種目での記録を伸ばすとともに、もう少し早くからマラソンに取り組んでもらうと、世界で戦える選手になれるんじゃないかと思うのである。
ギルメイ・ゲブレスラシエ(19=エリトリア)が2時間12分27秒で金メダルを獲得した。
ゲブレスラシエと言えば、皇帝と呼ばれた最強の長距離ランナー、ハイレ・ゲブレスラシエ(エチオピア)が思い出されるが、親せきというわけではないようだ。エリトリアはエチオピアから独立した国だから、あちらにはそういう名前が多いのかもしれない。
日本勢は、藤原正和(34=ホンダ)が2時間21分5秒で21位、前田和浩(34=九電工)が2時間32分48秒で41位と、惨敗だった。
1980年代後半には、宗茂・宗猛兄弟、瀬古利彦、中山竹通とか、世界と戦えるランナーがいくらでもいたんだが、その後はどうもパッとしない。今日だって、10位以内に入れば上出来だろうと、まったく期待せずに見ていた。
アフリカ勢の台頭が主な理由であるが、そもそも日本の競技力そのものが向上していないのではないか。
日本の長距離界には、世界ではほとんど行われていない駅伝という独特の競技がある。そしてこの競技は異常に人気がある。
年末には京都で高校駅伝があり、元日は朝から実業団のニィーイヤー駅伝があり、その翌日には大学生の箱根駅伝がある。
そのほかにもたくさんの大会があるから、強豪校や強豪チームに入ると、どうしても駅伝中心の競技生活になる。
まあ、それはそれで構わないのだが、強いマラソンランナーを育てるという意味では、この駅伝中心の強化路線がネックになっている可能性がある。
オリンピックや世界選手権の長距離種目には、5000mと10000mというトラック競技があって、あとは42.195㎞のマラソンがあるだけである。その中間の距離はない。
しかし、駅伝だと、区間によって8㎞とか13㎞とか、長くても22~23㎞とか、走る距離が中途半端なのである。その中途半端な距離をうまく走る練習ばかりしていて、はたしてトラックの10000mや、それより思いっきり長い42.195㎞を速く走れるようになるだろうか。
と、素人ながら思うのである。
よく箱根駅伝で活躍した選手が、「将来はマラソンで世界を目指したい」など言う。心意気はよろしい。
しかし、駅伝とマラソンは別の種目だからね。駅伝が速くなったって、マラソンは速くならない。
今は解説者としておなじみの瀬古利彦さんは、たまたまオリンピックでは結果を残せなかったが、大学生のときからマラソンを走り、15回走ったレースのうち10回優勝。それも大きなレースばかりという、とんでもないランナーだったのだが、全盛期には5000mと10000mの日本記録も持っていたと記憶している。
中学生・高校生の有望ランナーには、トラック種目での記録を伸ばすとともに、もう少し早くからマラソンに取り組んでもらうと、世界で戦える選手になれるんじゃないかと思うのである。