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世襲が問題なのは政治の世界

 西武文理学園小学校校長に学校経費の私的流用があったのではないかと騒ぎになっている。
 女性校長は、創業者の長女である。
 学校法人で創業者の子が後を継ぐのはそれほど珍しいことではなく、2代目、3代目で立派に経営を引き継いでいる人もいるから、世襲自体に問題があるとは言えない。

 企業においても、世襲で成功している経営者はいくらでもいる。そう考えれば、「世襲=悪」というわけでもないだろう。

 概して世襲経営者は金に対して汚くはない。金の苦労をしたことのない人は、金に執着しないのである。ただし、金に甘い。公私の別がつかない。そういう甘さがある。

 私は女性校長の振る舞いを擁護する気はさらさらないのだが、この種の問題は、金に対する汚さではなく、金に対する甘さからきていると思うのである。

 さて、世襲のことである。
 私企業の世襲はまだ許せる。もともとは個人が財産を提供して作っているのだ。
 二世タレントがはびこっているが、それも勝手にしてくれ。

 問題なのは政治家だ。
 いまの安倍内閣も50%は世襲議員で占められている。自民党国会議員の約40%、国会議員の約25%が世襲と言われている。

 アメリカでも、クリントン元大統領の妻・ヒラリーが民主党の有力な候補になっている。一方、共和党ではブッシュ元大統領の弟・ジェブが候補者として取りざたされており、クリントン家とブッシュ家の争いになる可能性もある。アメリカはそういう国じゃなかったはずなんだが。

 私企業の私物化は、ぎりぎり許せても、政治の世界がこれではまずいだろう。もちろん、いまいる議員は正当な選挙で選ばれたのであるから、かれらに罪があるわけではない。しかし、これだけ世襲議員が増えるということは、かれらにとって有利な仕組みになっているからである。

 議員の子は立候補できないとするのは、法の下の平等、職業選択の自由に反するから、これは無理だが、親と同じ選挙区からは出られないようにするとか、親が引退した直後の選挙には出られないようにするとか、このぐらいは考えても良さそうだ。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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