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埼玉では、なぜ「確約」が広まったのか(3)最終

 「確約」ネタが4日も続いたので、今日で一区切り。

 私立にとって募集の成否は死活問題であるが、「公立王国」と呼ばれる埼玉において、歴史の浅い私立は常に劣勢に立たされてきた。「確約」が広まった背景には、こうした力関係がある。

 11月初めに進路希望状況調査(10月1日現在)の結果が発表されるが、昨年はこの時点で、公立希望者86%、県内私立希望者14%という状況だった。この14%の中には、系列中学校の生徒も含まれるから、公立中学校卒業生に限れば、この差はもっと開くだろう。昨年の県内私立の総募集人員は1万7千人であったが、秋の時点では約8千人しか希望者がいないという状況なのだ。

 結局、多くの私立は、第一希望が公立である受験生の「すべり止め」の役割を果たすしかなくなる。秋の時点で約5万人の公立希望者がいても、公立の総募集人員は約4万人であるから、差し引き1万人は、公立に入れないということになる。ここに手を差し伸べるのが、「併願を認める推薦入試」というシステムなのだ。

 受験生が、いわゆる「すべり止め」を受けるのは当然だろう。中学入試だって大学入試だって、そういうことになっている。
 「すべり止め」である以上、受験生側から見た場合、絶対に受かるとか、ほぼ確実に受かるという見通しがなければならない。その見通しを示しているのが、いわゆる「確約」というものである。

 ただし、「確約します」と言っている私立はない。見通しを示しているだけだ。私は、私立がそういう見通しを示すことが、それほど悪いことだとは思わない。

 ただ、その見通しを示す際に、特定の業者テストの偏差値のみを「ものさし」にするのはどうかと思う。事実上、そのテストを受けることが、出願条件になってしまっている。もっとも、私立の入試は、ある程度自由に行われていいわけだから、「〇〇社のテストを年〇回以上受けること」と、出願条件に明示するなら、それはそれでいいかもしれない。

 しかし、それよりも、中学校の調査書でも、近年広がった、いわゆる「公的テスト」でも、あるいは他の何かでも、本人の実力や努力の結果を示す資料があれば、それを「ものさし」として見通しを示すというほうが、親切ではないかと思う。

 で、そろそろ話をまとめなくてはならないが、私は、行く行くは私立も学力試験の結果で合否を決める本当の意味での入試を行ってもらいたいと思っている。

 いまのシステムは、簡単に言えば「公立が第一希望、私立はすべり止め」という構造の中で成り立っているわけである。
 だから、「私立が第一希望、公立がすべり止め」という受験生が増えてくれば、「併願を認める推薦入試」だとか「確約」だとかは、自然消滅するはずである。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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