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その「わ」は何なのだ

 タイトルでは分かりにくかったと思うが、私が気になっている「わ」は、言葉の最後に来る「わ」である。

「その『わ』は何とかならんのか」
志村くん「はっ?」
「言葉の最後に『わ』をつける気持ち悪い話し方だ」
志村くん「何のことか分かりませんけど…」
「気づいてないのか。まあ、そうだろうな。気づいてしまったら恥ずかしくて使えなくなる。たとえばこうだ。『また電話しますわ』、『いい企画があったら提案しますわ』」
志村くん「そんな言い方してますか」
「『わ』が『よ』に代わる場合もある。『また電話しますよ』」

 言葉の最後に『わ』をつけるのは、女性言葉と言われているものである。もっとも、昨今は女性言葉などというものは絶滅しており、実際に使う女性はいない。
 日常会話における性差はほとんどなく、ましてやビジネス会話における男女差はもともと存在しないと言っていい。

 そんな中での『わ』である。

「『また電話します』。これで日本語として完璧なのに『わ』を付ける意味はどこにあるんだ」
志村くん「そう言われても…」
「たとえば身内など親しい相手だったら『また電話する』でいい。しかし相手がビジネス上のお客様だったら『また電話します』と丁寧語にする。これは常識だ。しかし、そこにまた『わ』をつけ足す。そういう心理が私には理解できない」

 残念だが、私には国語についても心理学についても深い知識はない。しかし、目の前の志村くんに関して言えば、強い断定を避ける緩和表現として使っている。そして悲しいかな本人はそれに気づいていない。

 強い言葉には強い言葉が返ってくる。こちらが断定すれば向こうも断定してくる。ビジネスは本来そういう厳しいものであるが、その厳しさを回避しようという心理がどこかに働いている。
 それが、このような女性言葉、あるいは緩和表現につながっているのではないか。

 そう言えば、志村くんは、常に「笑いながら話す人」である。このことは別の機会に書こうと思うが、これなども相手とシビアなやり取りをしたくないという心理が無意識に働いているためだろう。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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