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ノーシードから勝ち上がる人生

 息子3人を東大理Ⅲに入れた佐藤亮子さんという母親が話題になっている。
 お受験ママの勝ち組ってやつかな。
 まあ、これで子供にも手がかからなくなっただろうから、尾木ママの向うを張って佐藤ママとか亮子ママで売り出したらいいんじゃないか。
 と、これは余計なお世話である。

 しかし、私は元教員だから、1歳から公文式に通わせて、徹底的にスケジュール管理して、恋愛も禁止して、それで灘中灘高から東大って言われても、ちょっと心配だね。
 人間としての成長を考えた場合、その時々に体験しておくべきことがある。そのあたりは大丈夫なんだろうか。
 3人が、患者の心に寄り添うことのできる人間味のあるドクターになってくれることを祈るのみである。

 
 大学がすべてじゃない。

 ノーベル賞をとった梶田さんは埼玉県立川越高校出身だ。県内では文句無しトップレベルの高校だが、一番じゃない。大学は埼玉大学。正直言って、川越高校なのに何で埼大なんだよって感じ。同じくノーベル賞の大村さんも山梨大学で、これもフツーに入れるレベルの国立。昨年の中村修二さんは徳島大学で、その前の山中慎弥さんは神戸大学。

 かれらはどう考えたって「受験レース」の勝ち組じゃないね。もちろん負け組でもないわけだが、人生前半は人もうらやむような経歴とはほど遠い。

 こうした事例を見ると、いい高校やいい大学に入ることがすべてじゃないと思えてくる。
 もちろん、世間に名の知られたいい高校やいい大学を出ていると、有利なこともある。ただ、これだけで一生安泰かというと、人生そんなに甘いもんじゃない。

 スポーツの大会にはシードという仕組みがある。いきなり優勝候補同士がぶつかったりしないように、こういう仕掛けをする。
 シードされたチームや選手は、予選リーグを戦い、1回戦から強豪と戦うかもしれないノーシードに比べて有利である。

 いい高校やいい大学を出れば、社会に出たときにシード権が与えられる。そんなものじゃないかと思う。
 1回戦、2回戦あたりはシードがあれば有利だが、3回戦、4回戦と進んで行くと、だんだんシードのアドバンテージはなくなって行く。
 だから、結局のところ、いい高校やいい大学に入るっていうことは、社会に出る時のシード権をとるっていうことなんだ。優勝を約束されるわけじゃない。

 ノーシードから勝ち上がる人生ってやつもある。
 だから世の中は楽しいのだ。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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