忘年会なしの穏やかな年末
忘年会の季節であるが、酒嫌い、カラオケ嫌い、人付き合い嫌い、を公言している私には一向に声はかからず、おかげでノンビリとした年末を過ごしている。
さてと。わが社の志村クンが忘年会の司会を頼まれたという。
●司会者
志村「司会って難しいですよね」
私「技術だけじゃなく患者とのコミュニケーションも大切らしいな」
志村「いや、その歯科医じゃなくて。宴会の進行の方で」
私「ああ、それなら得意だ。教員の頃は『司会科』と呼ばれてたくらいだ」
志村「社会科じゃなくて」
私「そっちはあまり得意じゃなかった」
●決まり文句
志村「で、最初の挨拶って言うんですか。それは何と言ったら…」
私「こういうのは決まり文句っていうのがあるんだ。『本日はご多忙の中、かくも大勢の方にお集まりいただき、誠に有難うございます』みたいな」
志村「ああ、よく聞きますね」
私「本当は暇だから来てるんだけどな」
●自己紹介
志村「司会者として、自己紹介しますよね」
私「そう。必ず『申し遅れましたが』って言うんだ」
志村「最初に言っちゃいけないんですか」
私「いきなり申し遅れちゃまずいだろう。少し経ってから、あっ、いけねえ、名前を言うのを忘れてた、っていう雰囲気を出すんだよ」
●挨拶
志村「乾杯の前に、エライ人の挨拶ですね」
私「下手なクセしてやたら長いヤツがいるよな。こっちは『一言、ご挨拶を』って、言ってんのに。講演会聞きに来てんじゃねえよ」
志村「長そうな人の場合、どうしたらいいですか」
私「そうだな。逆に『では、会長のご挨拶を。持ち時間は1時間です。皆さんにとっては、1時間の待ち時間になります』とでも言ってやれ」
●乾杯
志村「次に乾杯の音頭ですね」
私「以前、体温計持って来てコップに挿して『え~、それでは乾杯の温度』ってやったヤツがいたが、全然受けなかったな。みんな早く飲みたいんだから、さっさとやれよ」
●中締め
志村「で、あとは成り行きにまかせて、最後は締めの挨拶ですね」
私「締めでもいいが『中締め』と言ったほうがいいな。後輩に年中、中締めを指名されるヤツがいたんだ。名前が中島なんだよ」
志村「アハハ、『中島の挨拶』。受けますね」
私「受けねえよ。受けても1回だけだ」
●宴たけなわ
志村「よく『宴たけなわですが』とか言いますよね」
私「以前、『宴、高輪プリンスホテル』とか言って、受けを狙ったヤツがいたが、会場は白け切ったよ」
●手締め
志村「手締めは必要ですよね」
私「正式には三本締めだろうな。『シャンシャンシャン シャンシャンシャン シャンシャンシャン シャン』を3回」
志村「1本締めで『イヨ~、パシッ』でもいいですよね」
私「そいつは一丁締めだな。または関東一本締め。1本締めは、三本締めを1回で済ませることだ」
志村「指を1本ずつ増やすのがありましたね」
私「ああ、『一つ目上がり』な。1本指、2本指って増やして行って末広がりって、あれだ。たいていは目立ちたがりがやるんだよ。『オイラ、ちょっと人と違うだろう』って、たかが忘年会で個性出してどうする。普通にやれよ」
と、宴会嫌いの割には、妙に宴会にうるさいのである。
さてと。わが社の志村クンが忘年会の司会を頼まれたという。
●司会者
志村「司会って難しいですよね」
私「技術だけじゃなく患者とのコミュニケーションも大切らしいな」
志村「いや、その歯科医じゃなくて。宴会の進行の方で」
私「ああ、それなら得意だ。教員の頃は『司会科』と呼ばれてたくらいだ」
志村「社会科じゃなくて」
私「そっちはあまり得意じゃなかった」
●決まり文句
志村「で、最初の挨拶って言うんですか。それは何と言ったら…」
私「こういうのは決まり文句っていうのがあるんだ。『本日はご多忙の中、かくも大勢の方にお集まりいただき、誠に有難うございます』みたいな」
志村「ああ、よく聞きますね」
私「本当は暇だから来てるんだけどな」
●自己紹介
志村「司会者として、自己紹介しますよね」
私「そう。必ず『申し遅れましたが』って言うんだ」
志村「最初に言っちゃいけないんですか」
私「いきなり申し遅れちゃまずいだろう。少し経ってから、あっ、いけねえ、名前を言うのを忘れてた、っていう雰囲気を出すんだよ」
●挨拶
志村「乾杯の前に、エライ人の挨拶ですね」
私「下手なクセしてやたら長いヤツがいるよな。こっちは『一言、ご挨拶を』って、言ってんのに。講演会聞きに来てんじゃねえよ」
志村「長そうな人の場合、どうしたらいいですか」
私「そうだな。逆に『では、会長のご挨拶を。持ち時間は1時間です。皆さんにとっては、1時間の待ち時間になります』とでも言ってやれ」
●乾杯
志村「次に乾杯の音頭ですね」
私「以前、体温計持って来てコップに挿して『え~、それでは乾杯の温度』ってやったヤツがいたが、全然受けなかったな。みんな早く飲みたいんだから、さっさとやれよ」
●中締め
志村「で、あとは成り行きにまかせて、最後は締めの挨拶ですね」
私「締めでもいいが『中締め』と言ったほうがいいな。後輩に年中、中締めを指名されるヤツがいたんだ。名前が中島なんだよ」
志村「アハハ、『中島の挨拶』。受けますね」
私「受けねえよ。受けても1回だけだ」
●宴たけなわ
志村「よく『宴たけなわですが』とか言いますよね」
私「以前、『宴、高輪プリンスホテル』とか言って、受けを狙ったヤツがいたが、会場は白け切ったよ」
●手締め
志村「手締めは必要ですよね」
私「正式には三本締めだろうな。『シャンシャンシャン シャンシャンシャン シャンシャンシャン シャン』を3回」
志村「1本締めで『イヨ~、パシッ』でもいいですよね」
私「そいつは一丁締めだな。または関東一本締め。1本締めは、三本締めを1回で済ませることだ」
志村「指を1本ずつ増やすのがありましたね」
私「ああ、『一つ目上がり』な。1本指、2本指って増やして行って末広がりって、あれだ。たいていは目立ちたがりがやるんだよ。『オイラ、ちょっと人と違うだろう』って、たかが忘年会で個性出してどうする。普通にやれよ」
と、宴会嫌いの割には、妙に宴会にうるさいのである。