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箱根駅伝は、オリンピックにはつながらないみたいだ

 いまや正月の風物詩ともなった箱根駅伝であるが、この大会は世界につながるのだろうか。
 
 その前に、男子マラソンは、女子に比べて弱く、戦後のオリンピックでは金メダリストが出ていない。東京(1964)で円谷幸吉が3位、メキシコ(1968)で君原健二が2位、バルセロナ(1992)で森下広一が2位。以上、メダリストは3人。
 女子も高橋尚子、野口みずき、有森裕子の3人だが、高橋と野口は金という点で男子を上回っている。

 男子マラソンは、アトランタ(1996)からロンドン(2012)まで直近の5回のオリンピックに、計15人が出場している。うち4人は、高卒~実業団という経歴で、残りの11人は大卒だ。そして、この11人は、すべて箱根駅伝を走っている。

 なるほど、たしかに大半のオリンピック選手は、箱根駅伝経験者から出ているのは事実だ。

 ちなみに、箱根駅伝に出場できるのは、関東学生陸上競技連盟(関東学連)に加盟する大学だけである。つまり1都6県の大学。
なのに、なんで関東地方じゃない山梨学院大学が出ているかが謎であるが、関東学連に加盟しているからとしか答えようがない。まあ、近いからいいんじゃないの。私も以前、小田原から箱根を通って山中湖(山梨県)まで行ったことがある。歩ける距離だよ。

 で、話を戻して。
 テレビで放送されるので、全国の優秀な高校生ランナーが、みんな関東の大学に集まってしまうので、結果として、この中からオリンピック選手が出る可能性が高くなる。

 ただ、強豪校からは意外に出ていない。
 以下、代表11人の出身大学である。
●拓殖大2人 中本健太郎(ロンドン) 藤原新(ロンドン)
●日体大2人 川島伸次(シドニー) 谷口浩美(アトランタ)
●中央大2人 山本亮(ロンドン) 佐藤信之(シドニー)
●山梨学院2人 尾方剛(北京) 大崎悟史(北京)
●早稲田1人 佐藤敦之(北京)
●東海大1人 諏訪利成(アテネ)
●大東文化1人 実井謙二郎(アトランタ)
 この結果と、ここ20年間の優勝校(優勝回数)を比べてみると、いわゆる強豪校からはオリンピック選手はあまり出ていないことが分かる。

 最近20年間の優勝回数
1位 駒沢大 6回
2位 東洋大 4回
3位 順天堂大 3回
4位 神奈川大 2回
4位 青山学院大 2回
6位 日体大 1回
6位 早稲田大 1回
6位 亜細亜大 1回
 ということで、最近20年間で優勝回数ベスト5に入る大学からは、一人もオリンピック選手は出ていないことが分かった。

 だから何なのだという話だが、優勝を目指すような大学だと、無理をし過ぎちゃうんじゃないかということだ。
 ふだんは、何とか出場権をとろうぜとか、せめてシード権はとろうぜぐらいでいて、10年に1回くらい、あわよくば優勝でも狙ってみようか。この程度がちょうどいい。毎年優勝を争うような大学に入ると、下手をすると、大学時代で終わってしまう。

 もっとも、誰もがオリンピックを目指す必要はないわけで、箱根を走れればいいんだという選手がいたって、それはそれでいいのかもしれない。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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